第3話   まだ、あると思っていた・・・・

五反田東映シネマ

ここも今はない。おそらくバブルがはじけた頃、1990年代半ば頃になくなったのだと思う。まだあると思っていたよ。調べもせずに五反田に行ったら、下の写真の様になっていた。場所はJR五反田駅西口を出て、第二京浜を歩いてすぐ目黒川にかかっている五反田大橋を渡って左折。川沿いにあった。駅から歩いて5〜6分という便の良さである。それほど大きくはないが、内装もキレイだったし、館内には芳香剤の良い匂いがしていたと思う。ここは邦画と洋画の上映館2軒が並んでいた。入り口向かって右側が洋画上映館(名前忘れた!)。左側が邦画専門の五反田東映シネマだったと思う。(違っていたらゴメン!!)

 

←五反田大橋から見た風景。
ちょっと暗いが手前の煉瓦色のビルの1Fにあった。中央奥を走っているのが、東急池上線。この映画館には5〜6回しか行っていない。しかし、ここで観た映画はいずれもオイラの好きな作品ばかりだ。初めて行ったのは79年頃。当時は東映の封切館というよりも名画座に近いラインナップで、テーマやジャンルごとにセレクトした映画の3本立て上映館であった。入場すると、紙切れ1枚だが無料のパンフレット替わりのチラシをくれた。

結構、詳細な映画の解説などが書いてあった記憶がある。ここで初めて観たのは、下記の3本である。(来た日にちは不明)

『野良猫ロック 女番長』
(70年作品、監督 長谷部安春、脚本 永原秀一、主演 和田アキ子)            
『反逆のメロディ』
(70年作品、監督 沢田幸弘、脚本 佐治乾 蘇武路夫、主演 原田芳雄)
『八月の濡れた砂』
(71年作品、監督 藤田敏八、脚本 藤田敏八 峰尾基三 大和屋竺、主演 村野武範 他)

 日活ニューアクションと呼ばれる集団抗争劇の代表作2本と70年代青春映画の傑作3本立て。良いメニューだね。
浅草新劇場とは大違い!!(笑)。思えば、この時が初めての日活ニューアクションとの出会いであった。雑誌等で全盛期の日活アクションとは全然違うとは聞いていたが、殺伐とした雰囲気に溢れていて、ちょっと衝撃を受けた記憶がある。
2度目に来たのは、1980年7月16日水曜日。鈴木清順3本立て

『野獣の青春』(63年作品、脚本 池田一朗 山崎忠昭、主演 宍戸錠)、
『東京流れ者』(66年作品、脚本 川内康範、主演 渡哲也)、
『殺しの烙印』(67年作品、脚本 具流八郎、主演 宍戸錠)である。

3回目に観たのは、同じく1980年7月22日火曜日。大藪春彦特集3本立て。

『顔役暁に死す』(61年作品、監督 岡本喜八、脚本 池田一郎 小川英、主演 加山雄三)
『蘇る金狼』(79年作品、監督 村川透、脚本 永原秀一、主演 松田優作)
『野獣死すべし』(59年作品、監督 須川栄三、脚本 臼坂依志夫、主演 仲代達也)

当時の記録を調べると、翌週28日月曜日にも来ている。

『白昼の襲撃』(70年作品、監督 西村潔、脚本 臼坂依志夫 西村潔、主演 黒沢年男)
『死ぬにはまだ早い』(69年作品、監督 西村潔、脚本 石松愛弘 小寺朝、主演 黒沢年男)
を観ている。

たしかここでは『狙撃』(68年作品 監督堀川弘通、脚本 永原秀一、主演 加山雄三)も観ているんだよな。そう考えると、ここでは日活よりも東宝アクションの方が多いな。
 最後に観た映画は東映『スケバン刑事』である。1987年作品、ナンノこと南野陽子主演のテレビシリーズの劇場映画版である。恥ずかしながら当時、オイラは南野陽子の崇拝者だった。レコードや写真集を買うほどではないが、出演しているテレビや映画はチェックしていた。ナンノちゃん、最近は滅多に見掛けなくなったが、たまに見ると今でもドキがムネムネします。テへッ!!
『スケバン刑事』は封切当時に観たのだから、『五反田東映シネマ』は1987年にはまだあったと言う事である。90年に入ってしばらくは営業を続けていたと思ったけど・・・・
おそらくはバブル崩壊後になくなったのではないか??

 ←五反田東映シネマ跡。
現在はイタ飯屋さんと、ゴルフスクールの事務所になっていた。ショック・・・・・・ゴルフスクールの事務所の方が洋画館。イタ飯屋の方が東映シネマだった。当時、例によって五反田まで自転車で行っていた。地図できちんと調べずに行ったのだ。だから今から考えるとかなり遠回りしているのよ、これが。片道、どれくらい時間がかかったのかはもう憶えていない。しかしキレイな劇場で良い映画を観られた。そんな思い出の映画館である。夏の暑い日に朝ご飯を食べて、エッチラオッチラ自転車に乗って五反田に到着。3本映画を観てから、恵比寿や渋谷をフラフラして帰る。相変わらずのパターンやね。
 そういえば当時、五反田の帰りに寄っていた恵比寿のディスカウントショップはまだ残っていた。店構えも全く変わっていなかった。ちょっとホッとした。

 

五反田東映シネマ詳細データ不明
1990年代廃館