第26話 オシャレな街にあります。
俳優座劇場(六本木)

 

 

俳優座劇場は六本木交差点にある客席数300の劇場。ここは劇団俳優座の常設劇場で1954年にオープン、1980年に改築されたキレイな劇場。当時の手帳が紛失してしまったために正確な日付や観た作品は不明なのだが、1983〜84年頃に日活映画の特集上映が2〜3週間に渡って行われたことがあった。たしか『女を忘れろ』『やくざの詩』、『夜の牙』、『危いことなら銭になる』等はここで観たと思う。六本木〜麻布〜青山にかけては都内では一、二を争うオシャレな街。大人の街、恋の街・・・そして二人の街である。いわゆるトレンディってやつネ!

 

 

 

 

とはいえ孤独なオタク野郎のオイラには関係のない事。そんな訳で現在に至るまでこの辺のエリアには全く縁が無い(悲笑)。これでもオイラは江戸っ子なのヨ。しかしこの辺には立ち寄った事すら無かった。バイクで通過する事も無い。だから俳優座劇場に行ったのが記念すべき六本木デビュー?であった。でも映画だけ観て帰ったからデビューと言えるのか??この頃は学生だったから学校帰りに地下鉄で通った。今でこそ大江戸線が開通して大分便利になったが、当時の六本木は日比谷線しか通っていないため都会のド真ん中にあるのに交通の便が悪く陸の孤島状態であった!!

やはりこういうオシャレな街に来る連中は地下鉄なんかでは来ないのか?やはりタクシーか車!それも外車のスポーツカー(死語?!)で彼女と来るべき場所なのか?地下鉄で来るオイラが悪いのか?いずれにせよオタクには敷居の高い街である。そんなハイソサエティな街にある劇場だからしかしキレイなトコであった。席数300だから大きさとしては三百人劇場と同じくらいだったと思う。正直キレイだったというだけで記憶が定かでないのだ。当時は「こんなチャラケタ街で日活映画をやるとは間違っている!」なんて思ってた。(今も思うヨ。)平日の夕方からの上映に通ったのだが、客の入りは6〜7割くらいだった気がする。上の写真が俳優座の入り口、今回は中には入らなかったが、玄関はピカピカで光り輝いていた。ちょっとしたホテルみたいだ。この日は何が上演されるのか知らないが花輪が数本飾られていた。下の写真は六本木の交差点、国道246号線と外苑東通りの交差点で飯倉片町から撮影した。土曜日の昼過ぎに撮ったのだが、さすがにこの時間の人影は大した事は無かった。夜になれば着飾った男女や外人が肩で風切って歩くのだろう。俳優座はこの交差点を右折してすぐ左側、目の前は地下鉄大江戸線六本木駅の入り口である。
 俳優座劇場で観た作品でオイラが涙したのは『女を忘れろ』だった。あの映画の旭の姿は究極の貢ぐクンであった。実は『青春野郎』Mateの連載『野暮天GUTSの女を忘れろ』のベースになっているのはこの作品なのヨ。この街に次に来たのは85年だったかな?当時勤めていた会社の同僚の結婚式の2次会だった。正確な場所は記憶にないが、たしかこの辺の雑居ビルの中にあったクラブのような店だった。暑くもないのに天井には扇風機が回っていて壁にはめ込まれたTVでは環境映像のビデオが流れているという80年代テイスト爆発の店だったのを憶えている(80年代だから当然だ!)。2次会の後、下の写真の右側あたりにあった居酒屋で一緒に出た連中と一杯飲んでオイラは渋谷に出た。今はもう無いが渋谷駅前にあった映画館で円谷プロ作品のイベント上映会があったのだ。ウルトラシリーズ上映の他に二瓶正也や毒蝮三太夫、桜井浩子がゲスト出演、当時の思い出話をしてくれた。オールナイトのイベントだったので帰宅したのは明け方だった。
 この街には数回しか来ていない。3度目に来たのは90年の年末。会社の忘年会の後、先輩社員が時々接待に使うという店に連れていってくれた。裏通りのビルの中にあったスナックでここのマスターは若い頃、売れないアイドルをやっていたそうだ。ホントかどうかは知らないが、たしかに頭には白い物が目立っていたが10代の頃はジャニーズ系だったのでは?と思わせる顔立ちであった。4回目は・・・・青春野郎を参照されたい!!
 いずれにせよオイラには縁の無い街だ。用は無いからもう来ないかもネ??


俳優座劇場データ
オフィシャルHP参照