第3帖
自動式は素人さ!

 

写真の銃はコルト45。
正式名称はコルト45リボルバーM1917。コルト45と聞いてピ〜ンときた貴方・・・なかなかの「使い手」です(笑)。この銃は赤木圭一郎が名作『紅の拳銃』で使用したのと同型の銃です。1980年前後にハドソン産業(ゲームメーカーではない。)から発売されていたモデルガンです。材質は亜鉛合金製。銃刀法で規制されていたから、銃口も塞がれていて金ぴかに塗装されてます。

 

当時、このモデルガンの発売予告の広告を月刊『GUN』誌で見た時は即、買い!を決意しました。何てったって『紅の拳銃』で使用された銃だもんね。『紅の拳銃』は良い映画だったなぁ・・・垂水悟郎の射撃の先生ぶりといい、トニーといいカッコ良かったし、何と言っても白木マリが・・・タマランよなぁ。 

初めてこの銃を持ったトニーが「自動式じゃないのかい?」と垂水に問う。垂水が答える。「オートマティックが良いってのは素人さ。万一、不発があったらつっこみを起こしてしまう。そうなったらどんな名人もお手上げさ!」(垂水先生はオートマチックではなく、オートマティックって発音するんだよね。)シビレル台詞だよ。でも日活コルトウッズマンを使っていた抜き射ちの竜はどうなっちゃうの?
 オイラはあの映画のトニーのようにファンギングやクイックドロウ、ロードエージェントスピンといった曲射ちの練習しようと思っていました。発売日前に当時よく覗きに行っていた池袋パルコ内のホビーショップ『ポストホビー』で注文、手に入れた。価格は8500円。自転車で家に帰ってきて、部屋で包みを開けた時は感動したよ。金属製だからズッシリとした40オンス(1133.1g)の重量感。手にとってみる。ウォ〜重い。そういえば映画の中で垂水先生が言っていたよね。「最初は拳銃が重くて5分もすると腕が下がっちまう。・・・・」トニーに鉄アレイで筋トレさせてたっけ。虚弱な細腕でこの銃を振り回すのはキツイぜぇ・・・ジっと手を見る。これで笹森礼子みたいな彼女がいたらなぁ、なんてモテナイオイラは思ったっけ。
 ところがそんな妄想をさせたコルト45だが、これがとんでもない欠陥品だったのだ!2〜3発空射ちしたらトリガー(引き金)が動かなくなってしまった。どうやらハンマー(撃鉄)とを繋いでいる金具が壊れてしまったようだ。ドライバーで蓋を開けてみたのだが、やっぱり壊れている。しかも開けたのは良いが、今度は元に戻せなくなってしまった。オイラは勉強もダメだが、手先も不器用なんだ。幼児向けのプラモデルさえ満足に作れない。しかしマイッタね。空射ちしただけで壊れちゃうなんて、とんでもない不良品だぜ。仕方がないから、自転車で『ポストホビー』に持っていって、修理に出した。1〜2ヶ月経って修理から戻って来たのだが、やっぱり何発か撃つと同じように壊れてしまう。しかも今度はシリンダー(弾装)を固定させるバネも壊れちゃったよ。2〜3度修理に出したのだが一向に改善されなかった。おまけに修理に出す度に、金色の塗装が剥げて返って来る始末。お金もかかるし、結局諦めてしまった。
 今回、これを書くために物置に置きっぱなしにしてあったコルト45を引っ張り出してきた。ハンマーを自分で引いて撃つシングルアクションなら動くが、トリガーを引いて撃つダブルアクションでは動かない。しかも回転するシリンダーを固定する金具のバネも壊れている。しかしカッコイイ銃だよ。手にとって見る。このズッシリ感がリアルだよ。映画の中でトニーは軽々と振り回していたけど、こんな重い銃、振り回せないよ。ステージガンだからプラスチックみたいな物で出来てたんだろうな。
 第2帖でも書いたが、当時オイラはガンマニアだった。映画観ない日は都内のモデルガンショップを自転車で覗いて周ってました。(買うわけでもないのにネ。)
今はヒマな時はパソコンショップをウォッチングして周る事が多いから、あの頃から変わってないのね・・・トホホ。