第18話  さすらいのテレビ局シリーズ
テレビ埼玉(TVS)

 

テレビ埼玉は浦和市役所裏、埼玉大学付属小学校前にあるテレビ局である。テレビ埼玉との出会いは偶然であった。テレビのUHFチャンネルを適当に回していたら偶然キャッチしたのだ。この時に放送していたのが『夜のバラを消せ』であった。1979年3月下旬の事である。開局日は1979年4月1日だから開局前のテスト放送のようなものだったのだろう。新聞のテレビ欄にも書いていなかったと思う。他に観たのは中山千夏主演のTVドラマ『恋人はLサイズ』。(1970年製作のドラマ、新米の雑誌編集者の中山千夏の家に迷い込んだ廃棄処分の競走馬ゴンベを再生させるホーム?ドラマ。)ちょうど高校の春休みだった。友達のいないオタク君のオイラはアルバイトするでもなく部屋の中でオ×二―したり、テレビや映画を観てはダラダラと過ごしていた。そんな時に『夜のバラを消せ』だったからもうビックリ!他には岡崎友紀のTVドラマ『だから大好き』もやってたかなぁ。開局日の放送も観た気がするけど内容は憶えていない。TVSは都内のオイラの家から一番近いせいか、受信状態は千葉神奈川に比べると格段に良かった。

 

実況や解説の付かない野球中継で有名なTVSだが、当時のオイラにとっては日活映画や70年代TVドラマを頻繁に放送してくれる夢のテレビ局だった。日活映画は水曜の夜や土曜日の午後に放送していた。放送していた70年代のTVドラマで一番よく憶えているのは79年または80年頃、土曜の午後に放送していた芦田伸介主演の『男たちのブルース』(70年作)。生島治郎原作の同名小説をテレビ化したもの。(横浜でナイトクラブを経営している芦田伸介は戦時中、特殊潜航艇の艇長だった。当時の部下の高松英郎は地元のヤクザだが戦場で芦田に命を助けられた恩を忘れずにいる義理堅い男。芦田はヤクザ者の高松を嫌うがある日、高松の死体が発見される。芦田は高松を殺した犯人を追う。芦田のかつての恋人のクラブ歌手に水野久美、高松の息子に若き日の田村正和が扮した。)

日活映画ではなかったが、戦争を引きずった中年男を芦田が好演。日活テイスト溢れる作品で好きだったな。主題歌は番組タイトルと同じ『男たちのブルース』。劇中では水野久美が歌ったが、エンディングでは青江三奈が歌っていた。オイラはこの歌、アカペラで今でも歌えるよ。バイクに乗っているとき、時々ヘルメットの中で口ずさんでマス。ヒーロー物では日曜のPM5時から『光速エスパー』、『シルバー仮面』、『アイアンキング』を、火曜の夜に『豹(ジャガー)の眼』、『月光仮面・第2部パラダイ王国の秘密』、同じく『月光仮面・第4部幽霊党の逆襲』の宣行社作品を、また土曜の午後から日活製作のドラマ『電撃ストラダ5』を放送してくれた。何曜日か忘れたが『ダイヤモンドアイ』もやってたなぁ。

 この当時のテレビ埼玉のタイムテーブルは現在のCS放送並みでオイラ好みのモノが多かった。開局当時はスポンサーの付かない番組が多かったのか?、「信号は守りましょう。」とか「花を大切に・・・」とかをチャチなアニメで表現したものや環境映像のような風景画をCM代わりに流していたな。そんなCMだけでも楽しい局だった。テレビっ子だったから、学校から帰ってくると食事以外はほとんど自室のテレビで観てました。三百人劇場のところでも書いたけど、毎週土曜の午後はかぶりつきだったよ。現在は家の周囲は高い建物ばかりになって映りも悪くなったし、CS全盛の現代ではあまり観なくなったけど、テレビ埼玉は毎週のように日活映画を放送してくれた思い出のテレビ局です。

 

 

テレビ埼玉詳細データ
オフィシャルHP参照