第23話 映画の博物館
フィルムセンター(京橋)

 

 フィルムセンター、正確には東京国立近代美術館フィルムセンター。ここは映画の博物館とでも言うべき施設で2階には大ホール、3階には図書館、7階は資料の展示室がある。大ホールでは旧作の上映が行われ大人410円という破格な値段で鑑賞できる。図書館ではキネマ旬報等の映画雑誌のバックナンバーが閲覧でき、有料でコピーもとれる。場所は地下鉄銀座線京橋駅、都営浅草線宝町駅から徒歩5分、地下鉄有楽町線銀座1丁目駅からも近い。
(館内の説明や交通アクセスはオフィシャルサイト参照。)
 初めて来たのは78年8月頃だと思う。正確な日時ははっきりしない。確か学校の長期休暇中だったから8月だと思う。観た作品は『紅の拳銃』。中学生のとき、TV東京の『日本映画名作劇場』で観たのだが、夜が苦手なオイラは不覚にも途中で寝てしまったというクヤシイ思いをした作品であった。眠ってしまったのは映画の後半、藤村有弘が登場するあたり。

 

寝たら大変だからこの時は集中して観た。おかげで最後まで見届ける事ができた。無事にリベンジ?は果たせた感があったナァ。8月だから学生は休みだが世間は平日。午後の上映だったのだが館内はガラガラ。客はオイラの他に若い女性コンビ、あとはオイラと同じようなオタク野郎が1人、2人くらい。オープニングで主題歌の『追憶(おもいで)』がかかると前の方の座席に座っていた女性コンビが歌を口ずさんでいたっけ。もう20年以上経っているからあの時の女性コンビもオバサンになっているだろう。今でもトニ―ファンなのかなぁ??
 上映はPM3時からだったと思う。この日は1時頃に到着。時間まで館内を見学して回っていた。フィルムセンターは84年5月に火災に遭っている。5階から出火して資料やフィルム等、貴重な資料が一部焼失したらしい。そのせいか現在のセンターの資料の展示はちょっとサビシイものがあるが、当時は映画の博物館といっても過言ではないくらいの貴重な資料や機械が満載、惜しむ事なく展示されていた。ゆっくり観ていると半日では見切れないくらいであった。何となく憶えているのは戦前の新聞の切り抜き記事。女性歌手?女優さん?だったか分からないが写真付きのインタビュー記事だった。内容はもちろんそれが誰だったのかも記憶に無いのだが、何となくオイラ好みの人でちょっと惚れちゃったのだ。思春期の高校生だったから写真の前でポーっとなってました(恥笑)。勿論、思い出しながら夜のオカズにしたのは言うまでも無い。次に来たのは翌年、79年。この時、フィルムセンターでは田坂具隆監督特集をやっていた。この時観たのは2月24日『陽のあたる坂道』、3月5日『女中っ子』、6月7日『乳母車』、8日『今日のいのち』、9日『若い川の流れ』を観ている。学校帰りに制服のまま通ったのを憶えている。この時も館内はそれほど混んではいなかった。それっきり来なかった。当時、『ぴあ』を買う度にチェックしていたのだが日活映画を上映する機会に出くわさなかったからだ。次に来たのはな〜んと22年後、2001年8月15日(水)『日本列島』、9月22日(土)『私は泣かない』を観ている。しかし22年ぶりに来てビックリ!混んでるんだよ。『私は・・・』の時はそうでもなかったが、『日本列島』の時などは1階の階段から大行列だった。ここは定員いっぱいになると締め切ってしまうのでこの日は観られないで帰った人もいたようだ。しかし何で『日本列島』なんて映画がこんなに混んでいるの?しかも客層の8割は年輩の人。中には独りで観にきてた風の70歳くらいの婆さん等がいた。残りの2割はオイラと同じようなオタク風の奴らだった。まぁ年輩の人たちにしてみれば自分達の青春時代の作品が410円(高齢者は割引でもあるのか?)で観られるのだから良いトコだよね。でもここは守衛さんとか結構ウルサイ。満員だと後から入って来た人の席の割り振りをやってしまう。なかなかキビシイ・・・・・・。

 


東京国立近代美術館フィルムセンター
東京都中央区京橋3-7-6
詳細データ
オフィシャルHP参照